【女主人との30日戦争】

数田ますみさんのイギリス滞在スケジュールは、前編でお話ししたとおり、最初の1か月はロンドンで、次の1か月をイギリス北部のエジンバラ、そして最後の1か月は再びロンドンに一戻るという日程です。その2か月め、エジンバラでの生活ぶりは、とても劇的です。エジンバラでのホームステイ先は、これまた典型的なスコットランドの一般家庭でした。ご主人は包容力のありそうな温和な紳士、夫人のメイはますみさんと同じ年齢で、いかにも働き者といった感じの女性です。ますみさんにあてがわれた部屋は南に面した8畳のベッドルーム。正而窓からは辺りの緑が一望できるといった素晴らしさです。しかも別畳ほどの書斎を「自由に使っていい」といわれ、前のひと月、狭い子供部屋で過ごしたことをおもうと、天と地ほどの違いがありました。おまけに同居の下宿人は、デンマーク出身、コンピュータの技師をしている訓代半ばの好青年で、ますみさんのエジンバラでの前途は、途方もなく明るいものにおもわれました。しかし、ロンドン滞在主婦日証闘記、物事そううまく運ぶはずがない。この家の女主人メイは、卵歳を過ぎているにもかかわらず、フルタイムで働く頑張り屋主婦です。生真面目で働き者ではありますが、どうも性格が殺伐としていて、とつつきにくいところがある。「彼女とは徹底的に合わなかった。年が同じぐらい、というのもよくなかったんでしょうね。

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